富士山清掃活動を始めて14年目。遠くから見たらキレイな富士山はA面だ。しかし、あの不放棄された産業廃棄物の現場はまさにB面。
富士山に捨てられていた注射器や点滴の針や管を始めて目にしたその瞬間からこの活動をやり切ろうと心の中で決意していた。
何故ならばあの世界を見てしまったからだ。見るということは知ること。そして知る事は背負うこと。背負ってしまたんだなぁ。でも、これは僕だけではなく富士山クラブの仲間もみんな同じ。そして毎年のように富士山清掃キャンペンに参加して下さる皆さんもみんなが背負ってくれた。そのお陰で富士山もキレイになりつつある。
しかし、まだまだ。残されているゴミを放置してしまえば、またそこに新たなゴミが捨てられてしまう。ゴミがゴミを呼び込んでしまう。
あの時、小学校での講演で5年生からの質問で「富士山で、ゴミより汚ないものはなんですか?」と。子供の問いは時にドキリとさせられる。そして本気で考えた。そしてゴミより汚ないものが一つ見つかった。
「ゴミより汚ないのは富士山に不法投棄する人の心。彼らはゴミよりも汚ない」と言った。素直な気持ちを彼らに伝えましたが、この発言が問題となる。校長先生に「人間をゴミよりも汚ないと言うのは教育の観点からしても問題です。人権侵害にあたる」と叱られてしまった。
しかし、僕ら現場と関わり続けていると人間にはゴミよりも汚ない人間の姿を見てしまう事がある。そして、自分の中にもそんな自分がいるのかもしれないとついつい探してしまう。B面からは色々な事を感じるものです。
あと何年続けたら富士山からゴミがなくなるのだろうか。その日が来るまで最後の最後までやり抜きたい。これからも続けていきますのでぜひ、ご参加ください。樹海にてお待ちしております!
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