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マナスル基金

【話の肖像画】17

マナスル基金

2022/09/18

【話の肖像画】17

産経新聞【話の肖像画】17が掲載されました。

エベレスト清掃活動を終え次に取り掛かったのはマナスル清掃活動。始めてマナスル山麓のサマ村に訪れたのはその時。村の子供たちが集まってきたので「夢は?」と尋ねたら皆キョトンと。シェルパ達に「ここでは夢という考え方がない」と言われその意味が分からなかった。
シェルパ達に「この村はネパールの端っこ。そこはチベット。貧しい地域で学校もなければ電気もない。多くの村人は外の世界を知らない。ここで生まれここで死んでいく。そもそも夢という概念がない」という説明にハッとさせられた。僕が子供の頃にはよく本を読んだ。ドリトル航海記はよく読んだ。
ふと思ったのは、何気に子供の頃に本を読んではその世界を想像してワクワクしたり。そういう小さなことから夢を見て抱く事に繋がったのではないかと。サマ村の子供たちに本を読んでもらいたい。その為には学校を建てようと思いつきましたが「子供は労働力」と村人から反対意見ばかり。
何年も村に通い村人との信頼関係を築くまでには時間を必要としましたが、今では村人に支えられながら学校が運営されるところまできた。つくづく、感じましたが、何事もなく焦らずにやる事。じわりじわりと浸透していけばいいのだと。5歩進み時に4歩後退しても最初の一歩さえ残っていれば何とかなる。

2022年9月18日掲載
話の肖像画17

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